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3Dと2D

僕は3DCGの制作はオートデスクのMayaを、2Dのコンポジット作業はアップルのShakeを使っています。 下の記事で「できるだけ3D作業を減らす」と書きましたが、実際仕事の中でMayaを触っている時間より、 Shakeを触っている時間のほうが長いかもしれません。Mayaの中で完全なCGを作ろうという意識は全く無いです。 むしろ僕の中では、MayaはShakeで絵作りするために必要な素材を作るツールといった位置づけになってます。 なので、Mayaのセミナーの講師を依頼されても、Shakeのセミナーみたいになってしまうのです(苦笑)。

ゲームのCGのように、CGを使うことが目的であるような仕事は別として、CMや映画におけるCGは、 実はCGである必然性は全くありません。伝統的な特撮技法で作っても良いし、 他の効率的な方法があればそれを使えば良いのです。 CGで作るのが一番コストパフォーマンスが良いのであればCGを使うまでです。 CGアーティストだからと言って、3DCGを使うことだけにこだわる必要はありません。 大切なのはいかに効率的に良い効果を作れるかです。


できるだけシンプルに

僕が普段CG制作に当たって心がけていることは「できるだけ作らない、できるだけシンプルに」 ということです。CGアーティストとして、よりたくさんお金を稼ぐにはどうすれば良いと思いますか? 答えは単純です。たくさん仕事をすれば良いのです。他人が2日かけてやる仕事を1日で終わらせられれば、 他人の2倍の仕事を受注でき、収入も2倍になるのです。

ならば、ひとつの仕事に割ける時間は限られてくるので、 できるだけ手数を減らして、でもクォリティーは高く見せる方法を考えなければなりません。 そのためには、CGアーティストらしからぬ発言かもしれませんが、できるだけ手間のかかる3D作業に費やす時間を減らす、 つまり「できるだけCGを作らない」方法を模索するのです。例えば写真ですむところは写真を使う、 コンポジットソフトによる2D作業の割合を増やすなどです。どうしても3Dを使わなければならないところでは、 過去の遺産を使いまわす、スクリプトで自動化するなどの工夫をします。

CMの仕事では、内容の修正や変更などがたびたびあるので、自分の作ったデータのメンテナンス性を良くしておくことが、 素早く仕事をするための秘訣になります。できるだけデータをシンプルに作っておけば、 修正を依頼されても触る部分が少なくてすみます。複雑にしておくと、どこをどう触ったらどんな絵になるのか、 自分でも忘れてしまうことがありますよね。


将来性

大学や専門学校などで学生からときどき聞かれるのは「CG会社って将来的に不安はないですか?」 とか「CG会社の福利厚生ってちゃんとしてるんですか」という言葉です。 これについては「福利厚生は、大手の会社に入れば、それなりにあります。将来性は僕もわかりません(苦笑)」 と答えてます。将来性なんてのは、公務員にでもならない限り、例え大企業に入ったとしても今のこのご時世、 10年後にはどうなっているか全くわかりませんよ。

そもそも、卑しくもクリエーター、アーティストを名乗ろうとする者が「将来性」を心配しているようでは格好悪いです。 「将来性」や「福利厚生」は基本的には「受身の発想」で、そこを心配することは、 図らずも自分の能力の無さを認めてしまっていることになるんじゃないですか?  以前どこかのサイトで「自分は美術大学に進学したいが、将来の保障がないので悩んでいる」 といった書き込みを読んだことがあるのですが、アホかと思いますね。 そんなに将来の保障がほしければ公務員になれと。

「芸術」なんてのは、この世に無くても人間は生きていけるんです。 趣味を自分の職業にしようとすること自体が安易な選択であるのに、 そのうえ将来性や福利厚生までも会社にガッチリ面倒見てもらおうなんて虫が良すぎます。 世の中の人の大半はやりたくもない仕事をやってるわけですから。


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