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●車窓から見た風景く


CGをやっていれば、「どうすれば本物っぽっく見えるか」というテクニックに興味がわくと思います。しかし単にテクニックだけを教わっても、その人に本当の意味での進歩はありません。テクニックそのものよりも、なぜそのテクニックが生まれたかを知ることで、応用力が身につきます。

例えば下のような1枚の写真を使って、走っている電車の車窓から見た風景を作れと言われたらどうしますか?



方法としてまず最初に思い浮かぶのは、この写真を左右に動かすことでしょう。しかしそれで本当に車窓から見た風景らしくなるでしょうか? 次のムービーを見てください。



左側は、上の画像を単純に左から右へスライドさせたものです。こうすれば、一応動く風景はできますが、見てわかるように奥行き感は全然ありません。 2Dだから当然ですよね。それに対して右側は、動き自体はやや遅く見えますが、手前から遠景までの奥行きを感じると思います。 しかし右の動画を作るのに、3DのCGソフトは一切使っていません。どちらのムービーもAfterEffectsによる2D処理に過ぎません。特別なプラグインも用いていません。

まず作る前に、走っている電車から見た風景がどうあるべきかを考える必要があります。走っていますから、当然風景はどんどん流れていきます。 しかしそのスピードは全ての場所で同じではありません。自分に近い場所はより速く動きますし、はるか彼方にあるものはほとんど動いて見えないかもしれません。
それがわかっていれば、そう見えるように作ればよいのです。ツールは何でも構いません。 右側の例では、地平線を境に画像を上下に2分割し、 地平線に近い部分は位置を固定固定し、空の部分は上辺を、地面の部分は下辺をそれぞれコーナーピンで大きく移動させて、平行四辺形状に変形させているだけです。たかだか2、3分でできてしまうエフェクトです。

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あとは下のような簡単な鉄骨のイラストを、横方向にのみぼかしてを画面を移動させれば、さらに本物感が増します。





これはごく簡単な例でしたが、テクニックとは往々にしてこのようなモノなのだったりします。 あらかじめ作ろうとするものがどう見えるべきかわかっていれば、 それを作る方法はいくらでもあるし、簡単に見つかるのです。自分にはテクニックがないからできないと思っていても、それはテクニックのせいではなく、 自分が作るべきものが見えていないからなのです。


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